「遊び支援」と「三項関係」の考察、わかり易く表現

6月10日、日本小児科医会総会フォーラム初日、私は、早起きをして、朝一番の新幹線で富山へ向かいました。なぜ早起きをしたかというと、早川先生の講演を聞きたかったからです。早川先生に初めて会ったのは、2015年に福島で行われた、こども環境学会の時でした。その時も、楽しそうに皿回しをされており、大人が無理に子どもの遊びをしている時に生じがちな不自然さが微塵もなく、「世の中には不思議な大人がいるもんだなぁ?」と妙に印象にのこりました。数日すると早川先生から執筆された本が届き、その内容がとても心に響いたので早川先生のファンになってしまいました。

私の住まいの埼玉県I市でもプレイリーダーが活動していて、普段は駅から離れた公園で子ども達の遊びの見守りをしているのですが、ある日、駅前広場で活動していました。その時のアクティビティーに皿回しがあり、子ども達が夢中になってチャレンジしていました。私も、皿回しの輪に加わったのは言うまでもありません。
開会宣言の後に早速、シンポジウム1「心と体を育む環境」が始まりました。1人目の演者の稲寺先生は、流石に公衆衛生学の著名な教授だけあって極めてオーソドックスに「胎児環境と子どもの健康」に関するご講演をされました。難しい内容であるにもかかわらず、大変わかりやすいお話でした。2人目は、待ちに待った早川先生の出番です。会場入り口で、すでに皿回しセットと怪しい封筒をいただいたので、「何か仕掛けがあるんだなぁ」とは思っていましたが、ご講演のタイトル『「遊ぶ環境」作りはまず身近な大人が遊ぶことから』に寸分違わぬ内容に思わず頬がほころんでしまいました。この時、会場の先生方と行った皿回しは、私にとって久しぶりだったのですが、早川先生のお導きのおかげで明らかに上達していてとっても楽しかったです。

学問の最大の落とし穴は、自己中心的な内容に終始し机上の空論に陥ってしまうことです。自然に行う遊びほど、人間の精神を開放し、喜びが湧いてくる行為はありません。いつも、ニコニコ言行一致の早川先生に脱帽です。

追伸
シンポジウム4~5ページに述べられていた「遊び支援」と「三項関係」についての考察の件ですが、さすがに、先生は脳科学辞典の「学問」をよく消化されてわかりやすく表現されていると思います。大人と子どもが共通してみる「物体」とは、平和な家庭中であれば、”たべもの”だったり”あそぶための何らかの物(必ずしもおもちゃでなくても良い)”など、見ている2人にとって幸福感をもたらすもののはずです。もし、これが、母親に暴力をふるう父親だったりすれば、正常な心の発達が妨げられるのは当然でしょう。
 わたしは、生まれたばかりの赤ちゃんの診察(新生児チェック)をするのが好きです。赤ちゃんに顔を近づけて診察すると、赤ちゃんの黒い瞳の中に診察している自分の顔が映ります。私自身が、赤ちゃんの瞳に映った自分の顔を見るとき、心と心が通っている感覚を覚え、とても幸せな気持ちになります。

S2演者
東京家政学院大学健康栄養学科教授
小児科医
原 光彦先生