遊びを忘れた大人たちと、遊びを知らない子どもたちに光を

宮崎市の一開業医です。この度は、日本小児科医会総会フォーラムにおける、シンポジウム1において、感動的な体験講話を頂きありがとうございました。

遊びを知らない現代の子どもたちに、かつて子どもだった私たち大人が伝えるべきもの、伝えられる事が身近にあると改めて感じました。電子メディアの溢れる今の世の中は、親子の生活を大きく変えました。子どもは、スマホやゲームを通してでしか友だちと関われない、親も子どもをあやせない、ネットに溺れSNSの呪縛に苦しむ親子が増えているのは、本当に悲しい事です。

地方都市宮崎でも、その危機は例外ではなく、今年3月市民団体「子どもとメディア宮崎」を子どもに関わる異職種有志で立ち上げました。その中で、メディアを否定するだけではなく、それよりも、もっと「楽しい」「うれしい」「わくわく」する遊びがあるよということを、子どもとその親に伝えて行かなければと考えておりました所、まさしく早川先生の取り組みは、その「遊ぶ」楽しさを体感させ、そこからいわゆる本来の「子ども力」を育てる素晴らしい活動だと感動しました。

スマホやゲームのなかった時代には、子ども達は日が暮れるまで、戸外で走り回っていたものです。虫取り、石蹴り、ゴム飛び、缶蹴り、コマ回し、陣取り、馬跳び、高鬼…数え挙げればきりがない程の遊びに汗を流していました。遊びの中から、人と人との関わりや、優しさ、ルールを自然に学んで来たのでしょう。そんな時代に育った私たち大人は、もっともっと今の子ども達に伝えるものがあるはずですね。すっかり日常に追われ忘れていますが…
先日の早川先生の皿回し、童心に返って私も一生懸命回しました。あの広いホールで、たくさんの小児科医の先生方が、一斉に必死に皿を回す光景は圧巻でしたし、とても微笑ましいものでした。あの時間、会場が数十年前にタイムスリップしていたようです。楽しい時間でした。

先生がおっしゃるように、大人が「子どもと一緒に遊びを楽しむ」ことが大切なのだと皿回しをしながら改めて思いました。子どもは、「一緒に遊びたい」のですから。身近な大人が子どもと「一緒に遊べる」ようになることが「遊び支援」だとおっしゃる早川先生のポリシーに強く賛同します。

私たち、街の小児科医は「遊び心」を持って、子どもとその親に「一緒に遊ぶ楽しさ」を意識して伝えて行きたいと強く思いました。貴重なお話と体験を本当にありがとうございました。 

宮崎市
どんぐりこども診療所
糸数 智美先生