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Takashi Hayakawa

教育(保育)講演を実践的に役立つものにするために 「講演」形態を実戦的・実践的にデザインする①

(1)「講演」とは何か

「講演」いうと一般的に「 大ぜいの人に向かって、ある題目に従って話をすること。また、 その話」ということになる。よく似た活動として「演説」というものもある。(これは「議会 や民衆などの前で自らの主義、主張を話すこと」と辞典にはある。)

講師は聞く人に一つのテーマについて持論を語り「影響」(思想や主義や理論など)を与 えることが役割である。一方、聴衆は「専門的な知識」をもつ講師から一方的に聴く立場で はあるが、「学ぶ」べることができるという学習形態のことである。大学で行われる「講義」 も「講演」の領域に入る。 「講演」に似た形式が多様に生まれている。「シンポジウム」や「パネルディスカッション」 などの形式である。

「シンポジウム」は 一般的には、あるテーマを決めて広く聴衆を集め、公開討論などの 形式で開催される。もっとも多く見られる進行方法は、まず第 1 部で基調講演が行われ、 その後に第 2 部としてパネルディスカッションが行われる。

「パネルディスカッション」とは討論会の一形式。ある問題について異なる意見をもつ代 表者数人が,座談会形式で聴衆の面前で討議し,のちに聴衆が質問などを通じて討論に加 わるもの。「パネルディスカッション」では、聴衆が討論に加わるりはするが、「パネラー」 の意見が主要な意味を持ちことには変わりはない。

「ワークショップ」 は、学びや創造、問題解決やトレーニングの手法である。参加者が 自発的に作業や発言をおこなえる環境が整った場において、「ファシリテーター」と呼ばれ る司会進行役を中心に、参加者全員が体験するものとして運営される形態がポピュラーと なっている。「 workshop 」とは、本来「作業場」や「工房」を意味するが、現代において は参加者が経験や作業を披露したりディスカッションをしながら、スキルを伸ばす場の意 味を持つようになっている。

具体的には、ものづくり講座、音楽ワークショップや演劇ワ ークショップのような身体表現における学習と作業参加の場のようなものがある。体験型 講座としての「ワークショップ」は、20 世紀初頭の米ハーバード大学においてジョージ ・P・ベーカー(英語版)が担当していた戯曲創作の授業 に起源をもつ。

このような壇上からの主張を一方的に「聞く」という形式ではない「身体性」を取り入れた 新形式の「学び」を深めるために登場した「役割」をするのが、「ファシリテーション」。 「ファシリテーション(英: Facilitation)とは、ワークショップの場で、発言や参加を促 したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合 意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させる リーダーの持つ能力の1つ。近年、ファシリテーター(Facilitator)と呼ぶ場合が出てきた。

(2)「講演」の手法の変遷

「講演」といえば「黒板」だった。キーワードとその説明を白墨を使って書く。紙に印刷さ れた資料があった。それから、「OHP」という視聴覚機器を使って、キーワードに付け加 え図解やグラフも「透明なシート」にコピーしたものを、黒板に変わり「銀幕」に写しだし、 話を展開する手法に変わった。

映像を使いたいときは「ビデオ」視聴を行った。そして、今 やコンピュータグラフィックを駆使して「パワーポイント」で講演するのである。動画のボ タンを操作すると直ぐに映像化される。

今圧倒的に「講演」の多くは「パワーポイント」を使って行われる。照明は薄くされ、画面 を見て学ぶ。講師の声は機械音にもにて文字を読むだけ。講師がテーマについてどれだけ 深く研究し、熱い思いで結果を得たか、そんな表情は聴衆には読み取れないし、感じとれ ない。聴衆はそのうち眠気を催してて、こっくりこっくり。

手元には、パワーポイントの 画面にに映し出された「キーワード」や「解説文」があるので、「あとから読めるからいいや」。 すべてのが人がこうではない。しかし、私のこの批判を「そうそう!ついうとうと・・」 とうなずく多くの人たちも知っている。

(3)「講演」をなぜ聞く?「講演会」になぜ行く?

ただ、ねらいの人物の考えることについて知識を増やしたい!ということであれば、講 師の書いた本を読むだけで済ますことも出来る。なのに、わざわざ時間を作り講演会場に 足を運ぶのか考えてみよう。

1、「講師に直に自分の悩みなどを聞いて貰いたい」

2、「講師に直に自分の考えをぶつけてみたい」

3、本では分からない講師の「オーラ」を感じたい!

4、その「オーラ」から、講師の考えているないしは実践している内容の「本気度」を分かりた

といった静かな、密かな、個人的な「期待」があるからだと考えられる。

職場から「研修」として、職務命令的に受講する場合もあろう。でも、心のどこかで前述 したような「期待」はもっていると考えられる。

このような「期待」に、既成の「講演」とその「形態」は応えられているとは私には思えない。 時間の無駄である。

(4)「子育て支援」講演を早川流にデザインする

私の講演対象は「保育・教育現場」であり、「家庭」であり、「地域」である。このような「子 育て支援」講演は、子育ての悩みや良い子に育つテクニックを求める親に、教室(保育室) の運営の悩みや、教育技法について応えるためにある。「現場」に応えるのが「講演」であり、 「講師」の役割である。

しかし、現実は、旧態依然とした「演説」にも近い「講演」ばかりである。本稿のねらいは これまでの批判を踏まえ、新しい「子育て支援」講演を、早川流にデザインして提案する。 多くの問題を抱えた「現場」に求められることは喫緊の課題に応えることである。それは 1明日現場でできるヒント 2現場での気づきや反省 3現場の仲間とのコミュニケーシ ョン(課題理解)である。

多くの教育学者は、発達理論や原理を解説したり、新法律はこう解釈できるなどと難し げに?解りやすく?「講演」する。いろんな「講演形態」を駆使して。私は、どれだけ技術を 駆使した講演でも、悩む子育ての現場人の要請には応えらていないと思っている。 (5)そんな「実利」にしっかり真心をもって応えるために、早川たかしが生み出した形態。 それが「遊びのワークショップ付き」講演である。


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